４月１日いつものようにシャッターで閉じられたセンター前で情宣活動をしていると、知り合いの特掃輪番労働者が「特掃の労働者が仕事を紹介してもらえない。なんとか仕事に行けるようにしてあげて」と訴えてきました。

仕事を紹介してもらえなかったというAさんと一緒に南海本線のガード下にできた西成労働福祉センターの仮移転先の紹介窓口に行き、「なんで紹介せんのや」と抗議しました。

西成労働福祉センターの職員とのやりとりで分かった事は、事前にＮＰＯ釜ヶ崎から西成労働福祉センターに対し、紹介票を本人に渡さないよう要請があったからそれに応じたとのことでした。

４月２日、Aさんから話を聞きました。Aさんは今から３年前、５５歳になったとき特掃に登録し、特別清掃紹介整理票を作成したそうです。今年の３月３１日、いつものように特掃の順番待ちをしていて、自分の番号が来たので紹介票をもらえるものと思っていたのにもらえなかったとのこと。

ＮＰＯ釜ヶ崎の職員がAさんのところへ来て北事務所へと連れてゆかれ、１時間ほど説教されたあと、以下にあるような文書を渡されたそうです。（釜合労は４月２日にその文書を見せてもらいました）

『　A様　　雇い入れに関するお知らせ

２０２１年３月２７日に、面談にて申し伝えましたとおり、A様の体の状態・また歩行を含む可能な動作と運動の範囲及び速度が「地域外作業」「市有地除草等の作業」「ＮＰＯ「生活道路」」「シェルター清掃作業」「旧センター清掃」の各現場で必要とされる作業の程度にはまったく達しておりませんので、雇い入れをすることができません。

ただし、「仮労働福祉センター内駐車場作業員」の現場においては、必要とされる作業の程度に達しているとみなしうる範囲にありますので、雇い入れを行います。

特別清掃のみならず、A様が身体・運動能力の条件により就職することが難しく、所持されている貯金が尽きる場合は、釜ヶ崎支援機構において生活保護申請のお手伝いや生活の安定に関する支援をすることができますので、その際はぜひご相談をいただきますようお願いいたします。　　　　２０２１年３月３１日　

特定非営利活動法人　釜ヶ崎支援機構　理事長　山田實　』

ＮＰＯ釜ヶ崎は高齢者特別清掃事業について「…野宿を余儀なくされる高齢労働者に働いて収入を得られる就労機会の提供を行っています…」と書いています。「生活保護は受けたくない」とは本人の弁。生活保護は本人の申請制です。生活保護を押しつけてはなりません。特掃は労働者の団結により勝ち取られたもの。その労働者をＮＰＯ釜ヶ崎が特掃労働者をいかなる理由であれ排除することは許されることではありません。

なお、釜合労の手元に厚生労働省発行の「事業主にみなさまへ」という表題のチラシがあります。

そこには「令和３年３月１日から障害者の法定雇用率が引き上げになります」とあり、さらに「障害に関係なく、希望や能力に応じて、誰もが職業を通じた社会参加のできる『共生社会』実現の理念の下、すべての事業主には法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。（障害者雇用率制度）

障害者を雇用しなければならない民間企業の事業主の範囲が、従業員４５人以上から４３・５人以上に変わります。毎年６月１日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告しなければなりません。障害者の雇用の促進と継続を図るための『障害者雇用推進者』を選任するよう努めなければなりません」と書かれています。

Aさんは左半身に障害がいがあるものの、３年間、地域外、市有地、道路と清掃の仕事をしてきた労働者です。この政府の方針にも逆行することになるのではないですか。「どんな差別も許さない」。口先だけではなく、それを実践するＮＰＯ釜ヶ崎になれ。

そこで①不払い賃金の支給②西成労働福祉センターはAさんに紹介票を渡せ③ＮＰＯ釜ヶ崎はAさんを今までどおり雇用せよ　と強く要求します。

スマホを持ってる人はユーチューブ「じいさん７３歳。まだこれからやで」を見て下さい。再生回数４１９０回になりました。

釜ヶ崎で何をせなあかんのか。３年前に釜合労委員長がセンター前で訴えた録画を見て下さい。聞いて下さい。約３０分しゃべっています。釜ヶ崎の労働者が幸せになれる道すじを分かりやすく訴えています。「センターつぶすな」で検索すると見ることができます。

2021.04