「センターつぶすな」の道理は私たちにあります

ぼけ(センター次長)「エアコンの水が天井に落ちてた」
つっこみ(労働者)「雨の日だけ漏れるのはどういうことか」

 
土地明渡断行仮処分申立事件の弁護団(武村二三夫弁護士、遠藤比呂通弁護士、牧野幸子弁護士)は10月31日付で主張書面2を提出しました。
それによるとシャッターが閉じられたセンターの外周は約500メートルあり、その一部を利用している28人の人たちの中には釜合労も含まれており、大阪府(債権者)によって立ち退きを求められているが、債務者(労働者)一人一人の占有スペースの特定がなされていない。裁判所へのずさんな請求により追い立てようとしている。そうは問屋がおろしません。
第2に本件明渡請求はあいりん総合センターの取壊しを前提とするものだが、南海本線の高架下にできたあいりん職安と西成労働福祉センターが仮移転先で業務を遂行できることが前提となっている。
ところが仮移転先は極めて危険であり、シャッターで閉じられたあいりん総合センターで従来どおり業務を遂行する必要がある。従って本件明渡請求は前提を欠き、認められるべきではない。
なぜなら1995年(平成7年)の阪神大震災で死者6434人という甚大な被害をもたらした。その年の7月31日、近畿運輸局長は南海電鉄をふくむ鉄道会社に既存の鉄道構造物にかかる耐震補強の緊急措置をとるよう通達を発し、RC(鉄筋コンクリート)柱につき、緊急耐震補強を求めた。
本件財団法人及びあいりん職安の仮移転先は南海本線及び高野線の南側だが、ここはこの緊急耐震補強がなされていない。南海電鉄はこのエリアの高架橋脚はRC(鉄筋コンクリート)柱ではなくSRC(鉄筋鉄骨コンクリート)柱であるため緊急耐震補強の対象外であるとする。
ところが2020年10月9日センター仮庁舎の北側エントランスにある南海高架橋脚6本について非破壊検査の一方法である電磁波レーダー法による検査の結果、このいずれも「鉄筋の反応はあるが鉄骨の反応は確認できない」という驚くべき調査結果が出た。阪神大震災クラスの地震が大阪を襲った場合、崩壊しかねないことを示している。
新幹線以外の鉄道は実施期間をおおむね5年と定めている。しかし通達から実に25年も経つのにこの緊急耐震補強がなされていない。南海高野線及び本線は毎日数十万人の乗客が利用すると思われる。その高架下に設置された2施設には多数の労働者、府民が出入りし職員も働いている。
これらの人々の生命を守るという観点から、あいりん職安、労働福祉センターは活動をただちに停止させ、あいりん総合センターの取壊しを中止し、別途、安全な(仮)移転先が確保されるまで従前のあいりん総合センターでその業務を行うべきである、等々書かれています。これが私たちの考えです。
思えば第7回労働施設検討会議において釜合労が南海本線の高架下の安全性に疑問の声をあげると大阪府は「南海電鉄から耐震対象外と報告を受けている」言い、その後も安全と言い続けた結果、多くの人々を危険にさらすこととなっています。
まちづくり会議労働施設検討会議の委員は27名。釜合労はただ一人、南海高架下の危険性を訴え続けてきましたがそれが正しかったことが証明されました。「真実と正義はいつも少数派に宿っています」。住民訴訟の弁護団の一人、中川拓弁護士の言葉です。
労働者の皆さん、「センターつぶすな」「シャッター開けろ」「強制排除反対」の道理は私たちにあります。
10月26日に行われた第55回労働施設検討会議において、釜合労は説明するよう求めましたが、大阪府の職員は「係争中のため回答はできません」と言い、その直後、会議の予定時間を15分も残したまま座長の福原氏が「ちょっと早いですが終わります」と言って会議を早々に切り上げてしまいました。
会議に出席していた釜日労や全港湾西成分会、NPO釜ヶ崎、キリスト教協友会、子供の里等の代表者。その場で異議を申し立てる人が誰一人いなかったことを労働者の皆さんに知っておいていただきたいと思っています。

センターが無くなって困るのは労働者。10月29日、日本人民委員会、釜ヶ崎公民権運動、集い処はな、釜合労の連名で、西成労働福祉センターとあいりん職安に要望書を持って行きました。
①南海本線高架に仮移転した西成労働福祉センター及びあいりん職安に対し、高架を支える柱に鉄骨がはいっておらず耐震補強もしてないので危険であるため、すぐに業務を停止すること②あいりん総合センターのシャッターを開け、その3階で今までどおりの業務を行うこと③あいりん総合センターの取壊しも見直すよう要求しました。11月5日までに回答するよう求めています。
なお、この要望書を渡したとき西成労働福祉センター次長は、仮移転先の雨漏りは「エアコンの水が流れ出たもの」とばかげた言い逃れ。すかさず「雨の日だけ漏れるのはどういうことか」と突っ込まれて黙りこくってしまいました。見苦しい子供だましはやめなはれ。
 

10月31日(土)午後3時から団結小屋横で集会、デモ

集会デモを43人で貫徹しました。参加された皆さん、お疲れさまでした。
 

目的のためなら手段を選ばない大阪維新の会の都構想のたくらみが労働者、市民によって二度、粉砕されました。

西成区も反対多数で都構想に反対という結果が出ました。また釜ヶ崎の労働者をより辛い立場に追い込んでいる特区構想も粉砕しなければなりません。センターつぶしは大阪維新の会の橋下徹の目玉となっていることを忘れてはなりません。釜ヶ崎の労働者を利用したり差別する者は地獄に落ちる。ゆめ忘れることなかれ。


今後のスケジュール


12月18日(金)午前11時
大阪地裁1007号法廷 「センターつぶすな」住民訴訟

2月9日(火)
大阪地裁202号法廷 センター立ち退き訴訟本裁判
 


2020年11月2日
釜ヶ崎地域合同労働組合・釜ヶ崎炊き出しの会・いながきひろし事務所
大阪市西成区萩之茶屋2‐5‐23 釜ヶ崎解放会館1階
電話(6631)7460
ファックス(6631)7490

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