税金の無駄遣いを続ける あいりん職安(国)と西成労働福祉センター(大阪府)

私(稲垣浩)は1971年(昭和46年)3月から釜ヶ崎で日雇労働者として土工、かたづけの仕事を中心に働き始めました。27歳のときです。

その後何年かして、西成労働福祉センターの職員が「とりあえず、手配師、人夫出しの人たちをセンターに登録してもらい、まっとうな(ピンハネをしない)業者になった段階で、あいりん職安(以下職安という)に移行していく」と話したことを覚えています。
この発言の根拠となったと思われる公文書が残っています。労働省職業安定局が作成した1970年(昭和45年度)版の失業対策年鑑399ページから始まる文です。  
「第8項愛隣地区等の対策」の中で、就労あっ旋の強化として
「西成労働福祉センターは
①求人の実態を把握し、不良求人の排除又は労働条件の改善,向上を図るため求人事業所台帳を作成するとともに、求人の登録を行わせしめ、就労あっ旋の正常化を図る
②求人者に対して施設内において適正な直接募集活動を指導するとともに、積極的な援助を図る
安定所は(組合注、あいりん職安のこと)
①求人者等に対する指導を強化し、悪質求人者、手配師、および不正な求人活動に対しては厳にこれを排除するとともに、社会保険の加入促進をはじめ、雇用条件の改善指導を図る
②これら改善された優良求人については求人受理を行うとともに、これら求人についてはこれを公開し、安定所が管理指導のもとに、求人者、労働者自らが相対で労働条件または能力等を選択方式(仮称)を新たに導入し、的確なあっ旋を図る」とあります。
 
また今から50年前の大阪府議会において、当時の黒田了一知事はこう答弁しています。
(質問 議員住谷晃太)
「労働福祉センターで就労あっせんを受けている労働者を逐次公共職業安定所での紹介業務に切り替えるよう行政措置を進めていただきたい」
(答弁 大阪府知事黒田了一)
「職業紹介業務を職業安定所に移行せよという、そういうご意見につきましては、従来より同じ趣旨検討してきた一番大事な問題かと考えます。そのために雇用関係を明確にするということ、求人求職者双方の安定所利用意識を向上させるということ、そういうような見地から、職業紹介を行ない得る基盤の整備がまず必要であるというふうに考えられますので、そのための努力を続けているところでありました、これらの条件が整い次第、職業安定所機関に移行させたいという考えでおります」
 
さらに1982年(昭和57年)参議院決算委員会では中山千夏議員が、あいりん職安が職業紹介業務を行わなければならないのに怠っていることについて政府に追及しています。これに対し、当時の政府委員関英夫氏は
「職業紹介をし、そしてあぶれた方々のうち多くは保険金の支給を受ける、これをできれば公共職業安定所がすべて一貫してやれれば一番いい」と述べ、あいりん職安において一般・労働の区別なく他の職安同様に職業紹介業務が行われるべきであることを認めています。
 
西成労働福祉センターや職安がどうシラを切ろうと、過去の公文書による事実がすべてを物語っています。職安は1日も早く仕事の紹介業務を行うことが過去の釜ヶ崎労働者に対する贖罪を償うことになるのだということを肝に銘じ、仕事の紹介業務を1日も早く始めるよう強く要求します。


1月17日(火)午前10時

大阪地裁409号法廷
釜日労相手の名誉棄損の裁判です

稲垣浩が意見陳述を行います。傍聴される方はバスが置いてあった場所に9時に集合して下さい。地下鉄で行きます。
 

1月18日(水)午後6時から8時
西成市民館3階講堂
強制排除反対大阪高裁判決報告集会

武村二三夫弁護団長がこの間の経過、今後の展望などについて話され、その後質疑応答がなされます。多くの皆さんの参加を呼びかけます。
 

今後のスケジュール


1月17日(火)午前10時
大阪地裁409号法廷
原告釜合労、被告釜日労の名誉棄損の裁判

1月18日(水)午後6時から8時30分
西成市民館3階講堂
強制排除反対大阪高裁判決報告集会
(武村二三夫弁護団長出席)

2月13日(月)午前11時30分
大阪地裁1007号法廷
定額給付金裁判

2月13日(月)午後2時
大阪高裁201号法廷
監視カメラ裁判
 
*今年の4月には統一地方選挙が予定されています。
釜合労執行委員長稲垣浩は立候補の予定です。



2023年1月16日
 釜ヶ崎地域合同労働組合・釜ヶ崎炊き出しの会・いながきひろし事務所
大阪市西成区萩之茶屋2‐5‐23 釜ヶ崎解放会館1階
電話(6631)7460
ファックス(6631)7490
釜合労のホームページhttps://www.kamagourou.com
E-mail info-kamagasaki@kamagourou.com   

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